Q. クラリティ(Clarity) ってなんのこと?
A. クラリティとは内包物などの比率、「透明度」のこと
ダイヤモンドのクラリティとは、透明度を指します。内包物などのない完全な透明ダイヤモンドをFL(フローレス)と呼び、最低のI3(アイスリー)まで11段階の鑑定がされます。
ダイヤモンドは長い年月をかけて自然が作り出すものです。内包物や亀裂が生じてしまいます。それがダイヤモンド内でどのくらいの比率で存在しているか、それがクラリティを評価する基準になります。
図にある赤い線が、内包物などの一例です。クリックで拡大してよーく見比べてみてください!VVSクラスは内包物がないようにも見えますが、VSクラスなどの内包物と同じ位置にほんのチョットの点が見えます。これが内包物です。
クラリティの段階だけではキレイさは決められない
クラリティの鑑定はダイヤモンドを上から見ての内包物などの大きさを鑑定するものですが、立体は奥行きがあるためそれだけでは判断できません。
また、光がダイヤ内部に反射する際に内包物などを他の面に虚像として映してしまうこともあり、実際はそこに存在しないキズが見えてしまうなど、難しい面もあります。あくまで1例として参考にしてください。
内包物などがあることで、天然のダイヤモンドという証明にもなります。極まれに合成で作られた人工ダイヤモンドが存在しますが、クラリティを見ることが真偽を判断する一材料になります。
クラリティは右の画像のような暗視野顕微鏡を使って鑑定されます。ダイヤモンドを逆光で透過し内包物などを検査します。
内包物には種類があり、それによって目立ち方が違う!
ここまででクラリティをダイヤモンドの内包物「など」の比率と表現しているのにはワケがあります。大きく分けて2種類の現象が内部に見られるためです。
この内包物たちはクラリティの評価に影響を出すばかりか、目で見る輝きも左右してしまいます。
内包物 カーボンとは
右の画像はカーボンと呼ばれる内包物です。
カーボンは、炭素の結晶であるダイヤモンドが地中深くで作られる際に何らかの要因で生じる黒く変色した炭素の結晶のことです。
カーボンがあることで黒色が内部で実像・虚像として写りこむため、位置によっては1つのカーボンが3つにも4つにも見えてしまい、鑑定の際に悪影響を及ぼします。もちろん見た目の輝きにも影響があるため、同じクラリティ評価のものでも輝きに差があると覚えて置いてください。
内包物 クリベージとは
右の画像はクリベージと呼ばれる亀裂の一種です。
クリベージとは、ダイヤ内部に走る細かい亀裂の層のことで、厳密には何かを内包しているワケではなく、隙間になっています。ガラスを叩いて割る際に白く不透明にヒビが走ると思います。アレをご想像ください。
基本的にはクリベージは透明なため、カーボンよりは目立たない傾向にあります。しかし亀裂は長く走りやすいため、位置によってはクリベージの方が目に付きやすい場合もあります。
お持ちのダイヤを見てみると分かりやすいかも
このように、内包物の種類や大きさ、位置がクラリティを左右します。この他にも内包する物は色々ありますが、基本的にはこの2種類です。
他にも、違う宝石が内包するケースもあります。ダイヤの中にガーネットなどの宝石の結晶が内包したりすることもありますが、レアなケースなのでプレミア価格が付くこともあります。
実際に肉眼でご覧になってもカーボン・クリベージは見ることはできないとは思いますが、ルーペなど拡大鏡をお持ちの方はダイヤモンドを確認してみると発見できるかもしれません。